かんぽ生命と郵政改革

かんぽ生命の動向と郵政改革のゆくえ

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2007年10月の郵政民営化によって誕生したかんぽ生命は当初、株式が上場され2010年度には名実ともに民間保険会社になる予定でした。しかし、政権交代に伴う民営化の見直しにより、経営のあり方がさらに大きく変わる可能性が出てきました。

 

かんぽ生命の動向と郵政改革のゆくえ

 

これまでの経緯

 

日本郵政株式会社は、政府の全額出資により設立されたため、簡易生命保険の事業を独立行政法人郵便貯金・簡易生命保険管理機構にいったん引き継ぐかたちをとった後、新会社であるかんぽ生命に業務委託しました。

 

かんぽ生命の保有契約127兆円及び総資産101兆円(いずれも2010年3月末現在)の中に、民営化前の簡易保険の既契約分は含まれており、新会社設立後の商品開発と新規契約は、かんぽ生命により行われてきました。依然これまでの簡易保険のイメージをそのまま引き継いだような会社になっているのには、営業の最前線がいまなお郵便局窓口にあるためでしょう。

 

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郵便局会社による保険事業

 

日本郵政グループの保険事業は、かんぽ生命だけが担っているわけではなく、郵便局会社は窓口会社として積極的な事業展開を行っています。銀行でも保険会社でもない両方の商品を扱う郵便局会社は、保険を販売する際、かんぽ生命のように総務大臣と金融庁長官から認可を受ける必要はなく、自由度が高いといえます。

 

そのため、日本生命と東京海上あんしん生命の法人向け保険商品や、アフラックのがん保険、住友生命の医療保険さらには損保会社と共同して自動車保険を扱うなど、かんぽ生命以外の商品も販売しています。

 

 

これからのかんぽ生命のゆくえ

 

民営化後4期目となる2010年度3月期決算では、個人保険の新規契約が前年に比べ増加しました。しかし、新規契約が満期を迎え消滅した契約に達しなかったために、保有契約では減少しています。

 

また、4270億円と前年比で50億円あまり利益が減少しており、前年度に比べ逆ざや率が改善したものの、生命保険の三利源である死差益と費差益が減少しています。

 

また、資産運用は国債や地方債、社債など有価証券の割合が高く、リスク性資産が低いことなどから、1664%とソルベンシー・マージン比率の水準は高く、業績と運用体制は比較的安定しているといえます。

 

しかし、当初予定されていたゆうちょ銀行とかんぽ生命の株式上場が政権交代により凍結されたり、継続審議中になってはいるものの1300万円から2500万円へ簡易生命保険の加入限度額を引き上げる郵政改革関連法案の動向など、経営環境が大きく変わる可能性もまだ否定しきれません。



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