相互会社から株式会社への移行

相互会社から株式会社への移行

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2010年4月1日、日本最古の相互会社である第一生命保険は、東京証券取引所第一部に上場し株式会社へと転換したことで、株主数が約137万1千人と、NTTの約103万人を超え、国内最多のマンモス株式会社になりました。

 

相互会社から株式会社への移行

 

相互会社と株式会社のちがい

 

古くから「株式会社」と「相互会社」が混在する状況にある日本の生命保険業界ですが、大手生命保険会社のほとんどは、相互会社の形式をとってきました。営利を目的とした法人が株式会社であるのに対し、相互会社とは営利も公益も目的としない中間法人のことをいいます。

 

相互扶助のコンセプトに基づく、保険会社だけに認められた会社組織で、基本的な仕組みとしては、団体を構成する保険加入希望者が出資しあい、互いの保険事業を行うというものです。

 

日本では、制度上からも株式会社化が可能になったのは、2000年に行われた保険業法改正によるものです。

 

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株式会社化のメリット

 

第一生命の狙いの一つに、株式市場による資金調達があります。 自己資本強化の際、契約者へ配当した後のわずかな内部留保を積み立てていくしか方法のない相互会社に対して、発行した株式で自己資本を強化できるというメリットが株式会社にはあります。

 

また、資金調達の際、募集した基金には利息をプラスした金額の返済義務が生じる相互会社であるのに対し、株式会社になれば、返済義務のない増資というかたちで、臨機応変な資金調達が可能になってくるのです。

 

 

業界再編成や資本提携をやりやすく

 

金融機関の資本提携やM&A戦略(合併、買収)、業界再編などが行いやすくなるというメリットも株式会社化により考えることができます。合併の際、互いが相互会社である場合、保険会社同士でなくてはならず、他業種との連携を考えた場合には、株式会社の方が様々な方法が考えられる上に提携も進めやすいです。また、持ち株会社化による経営の多角化も可能で、海外進出が行いやすくなるなどのことも考えられます。さらには、株式市場においても経営の透明性が高まることで、ディスクロージャー充実も期待されます。

 

第一生命は株式会社に転換後、初の決算となる2010年3月期決算で、売上高にあたる保険料等収入と本業のもうけを示す基礎利益が共に、前年比を上回り増収増益を確保しています。しかし、円高の進行などにより運用利回りが悪化し、逆ザヤは拡大しています。第一生命では、2011年3月期に株式の配当を予定しています。



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